「ミライのまち」突撃インタビュー

突撃インタビュー⑫ ~ミライトの「コネクテッドワーカーソリューション/THINKLET」~

工場の現場でローカル5Gを導入すれば、製造業が抱える課題が解決され、業務の効率化だけではなくAIを活用した工場のDXも進みます。そんなことを実現するソリューションの1つ、「コネクテッドワーカーソリューション/THINKLET」について、担当の株式会社ミライト みらい開発本部 フロンティアサービス推進本部、望月裕矢さんに話を聞きました。

望月さんは、「最近では作業に求められる技能や負担が増えているにも関わらず、就労人口が減少傾向にあるため、人材不足によって操業が難しくなる工場が増えることが予測されています。人材不足を補うとされているロボットも、人間ほど柔軟に働くことができないため、決められた作業を繰り返す分野以外では、まだ積極的な導入に至っていません」と、製造現場の課題を挙げます。「そこで、ミライトは現場の作業員がデジタル技術を活用したウェアラブルデバイス「THINKLET」を装着することで、今までの何倍もの作業効率を作り出す現場DXの促進に着目しました」と、ミライトが提供するソリューションについて紹介してくれました。

「従来、コネクテッドワーカーはトランシーバーなどのデバイスを装着して音声を伝達していました。ところが、それらのデバイスは騒音環境では音声が聞き取りにくく、コミュニケーションに苦労していました」と、望月さんは従来のコネクテッドワーカー向けデバイスの問題点について述べます。

▲体への負担が少ない首掛け式を採用した「THINKLET」

そして、望月さんは「THINKLETは、高性能なマイクを複数搭載することで現場の声をクリアに伝達するだけではなく、これまで困難だった騒音環境下での音声認識まで開発を進めています」と述べ、「その結果、将来的には工場の現場でAI活用が可能になります」と、THINKLETと従来のウェアラブルデバイスとの大きな違いについて説明しました。ミライトでは、さらなる作業効率の改善を目指し、詳細な作業記録や申し送りメモなどを現場で作成することができる機能の開発を進めており、将来的にはジェスチャーセンサーの活用も検討しているそうです。

また、THINKLETはグラス式のウェアラブルデバイスとは異なり、首掛け式になっています。「これは、現場作業員に肉体的負担をかけないだけでなく、リアルタイムな遠隔作業支援の際にも統制側の映像に揺れ動きが少なくなるため、遠隔支援者の肉体的負担も軽減するための形状です」と、デバイスの特徴を述べる望月さん。「THINKLETをローカル5Gで活用すれば、、内蔵された広角カメラから4K高精細映像のリアルタイム伝送が可能となり、現場作業員の手元などがより鮮明に共有されることで遠隔支援の精度向上に繋がります」と、ローカル5Gとの組み合わせによる相乗効果についても紹介します。

▲株式会社ミライト みらい開発本部 フロンティアサービス推進本部 望月裕矢さん

さらに、THINKLETを導入するメリットとして、「現場作業での相互コミュニケーションによるリアルタイム遠隔支援」や「熟練技術者のスキルのデジタル化による技能伝承」、「音声認識による文字のテキスト化で事務作業を効率化」といったことを挙げる望月さん。そういった説明からも、技術がどれだけ進化しても現場で判断し作業しているのは人間であり、ミライトはローカル5Gという最新の通信技術を提供することで、現場で作業するみなさんを支援していることが伺えました。